2013年10月アーカイブ

筆者 岩槻のあだ名はハカセと呼ばれております。
由来は博学からではないのですが、今回は少々ハカセらしいうんちくをご紹介しましょう。
第一回目は全ての総称「くだもの」「フルーツ(Fruit)」です。

【果物(くだもの)】
「く」は木を指し、元々くだものは木の実を表す言葉でした。近い言葉に動物を表す「けだもの(けもの)」によく似た響きですが、くだものはつまり「木のもの」、けだものは「毛のもの」という事ですね。農林水産省も樹木になるもののみ、また、多年性植物の食用果実を果物と定義しています。

では、畑で蔦状の植物からなるいちごやスイカ、メロンは果たして「くだもの」なんでしょうか?
現在、農林水産省ではこれらを「果実的野菜」と分類してます。厳密にいうと、くだものではないという事ですね。逆にディップやサラダなどに多用されるアボカドは木になっているので明らかにくだものです。
ところがパイナップルやバナナは多年草の仲間ですが、果実に分類されているから定義っていうのも曖昧ですねw

ところで面白い論争があります。

近年はフルーツトマトにはじまる、とても糖度の高いトマトが市場をにぎわせていますが、トマトは果物的野菜でなく野菜に分けられていますよね。その理由は以下の通りです。

1793年当時アメリカは輸入の際、果物には関税がかからず、野菜には関税が課せられていました。
このため、トマトの輸入業者は、税金がかからないようにと「果物」と主張しました。
これに対して農務省の役人は「野菜」だと言い張りました。両者は一歩も譲らず、さらに果物派には植物学者も加わり、論争はエスカレート。
とうとう、1893年に米国最高裁判所の判決を仰ぐことになってしまいました!
判決は結局「野菜」。
裁判長はずいぶん悩んだと思われ、判決文には「トマトはキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」と書かれていました。

日本でも、明治時代に農商務省(現在の農林水産省)が基準を決めていて、木になる実で何年も繰り返して収穫できるものは果実。1回収穫すると枯れてしまうものを野菜としています。
いちごやスイカ、メロンはデザートになるので果実的野菜に分けられ、トマトはデザートにならないので野菜になってしまったのです。とても主観的な分類ですが、とても人間的なジャッジともいえますね(笑)

【フルーツ(Fruit)】
古くはラテン語Fructusに起源を持ち、果実はもちろん、結実する事、達成、成果などフルーツの成長を人生や努力の過程になぞらえて実を結ぶ事も表していました。それは現在にも引き継がれ、fruitful(効果的な)、fruition(達成)、fruitless(無駄な)など派生語も多数あります。

なので果物(くだもの)は木になるものを指しますが、フルーツはもう少し広義に植物の実を表すようです。

とは言うものの、やはり甘くて美味しくてみずみずしいものを楽しむ文化は洋の東西を問わずありますし、やはりそれを果物やフルーツと呼ぶのは変わらないでしょう。


フルーツを食べて実り多い(Fruitfulな)人生を!

太秋柿日本の秋の風物詩 柿も栄養価や味が見直されつつある昨今ですが、1994年に産声をあげ、これまで生育の難しさや見た目の問題もあって「幻」と呼ばれた柿が、徐々にポピュラーになりつつあります。
その名も完全甘柿「太秋」。

富有柿ベースに次郎柿などを掛け合わせた、いわばサラブレッドな血統。しかしヘタの部分から同心円状に「条紋」と呼ばれる割れ目が出来、見た目が優れない上に、安定収穫の課題があったためなかなか市場に出回らなかった品種です。しかし、その条紋の理由は実は糖度が上がる過程でできるというもの。つまり見た目が悪くなるほどに甘くなるという事です。また、渋抜けが早く青い段階からかなりの甘さになっています。タネも小さいものが2〜3個ほど入っているだけなので切りやすいのも特徴。これほどに食べる人にとって魅力的な柿がだんだんと棚をにぎわせはじめているのです!

日本人が日常的に食べる食材の中でもトップクラスのビタミンC含有量を誇り、まさに風邪知らずのフルーツといえます。また柿のオレンジ色はβカロテノイド。高い抗酸化力を持っています。血圧上昇を抑え、さらに二日酔い予防にも効果の高いタンニンや、体内の塩分濃度を調整してくれるカリウムも豊富な身近な総合栄養食なのです。酸味が少ないので、生食はもちろん、サラダや調理品の材料にも取り入れられます。

少し緑色の太秋が店頭に並んでいても、迷わずゲットです!
ジューシーで甘い新体験が出来ますから。

あきづき

梨園といえば歌舞伎界を指しますが、今回は梨の生産地という意味で読んで下さい(笑)
あきづきは梨園で人気を二分するうちの一つ「豊水」と大梨の代表、香りもよい「新高」、そして梨園の顔「幸水」の血統を受け継ぐサラブレッドとも言うべき梨です。
新高のように香り高く大ぶりで、豊水のようにみずみずしく果肉が柔らかい、そして幸水のように酸味が少なく甘みが強い。まさにイイところ取りな梨がこのあきづき。どうですか?食べたくなってきたでしょう?
2001年に登録されたばかりのニューフェイスで、最近まで「幻の梨」などと呼ばれてきましたが、最近では生産量も増えてきて、店頭で見かける機会も増えてきました。収穫期が秋で、実がまんまるのお月さまのようなので「あきづき」という名になったのも風流ですね。

ところで歌舞伎界というのか気になった事はありませんか?演技している裏で梨でもつくってるのかな、と思う人はいないかもしれませんが、何か梨と関係があるに違いない!と思って調べてみました。
梨園というのは現実とかけ離れたコミュニティーを指す言葉のようです。その語源は中国は唐の時代にさかのぼります。開元の治と呼ばれる平和な治世を築いた玄宗皇帝が都の西側の梨の木が植えられている場所に音楽教習府をつくり、全国から芸人を集め互いに芸を磨かせました。皇帝が皇帝の嗜好する音楽を直々に彼らに教えた事から彼らは皇帝梨園弟子と呼ばれました。まるで浮世離れした彼らの暮らしぶりから梨園といえば現実とかけ離れたコミュニティを表す言葉として使われるようになったのですね。

梨の栄養や効用については「豊かな幸に恵まれる。幸水梨・豊水梨」を読んでみて下さい!

現実離れした(?)味を持つ"梨園"の超新星、是非味わってみて下さい!

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